司法試験突破!試験別に憲法の勉強法ポイント解説

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憲法とは?

憲法は、法という名前がついていますが、法律の上位概念であり、法律ではありません。人権や統治機構について定めてあり、国の骨格を定めるような規律であるといえます。

予備試験、法科大学院、司法試験において憲法が問われる場面

司法試験予備試験においては、短答式試験、論文式試験において問われます。短答式試験においては、判例の知識が、論文式試験については特定の事例についての憲法上の検討が求められます。法科大学院入試においても、多くの大学院で憲法は論文式で問われることになります。

司法試験本試験においても同様に短答式試験、論文式試験で問われます。民法や刑法とともに、基本的な法律であるといえます。

司法試験を突破!憲法の勉強法:総論

憲法については、わずか100条程度の条文しかなく、試験を受ける頃には、条文の内容は殆ど頭に入っている、という状況になるはずです。代わりに判例が沢山集積しており、判例の学習が非常に重要な科目であるといえます。

もっとも、範囲は法律7科目の中で一番狭いといえ、短い勉強時間で合格レベルにたどりつくことが可能な科目です。特に、論文式試験については、知識の量は問われず、いかに説得的に憲法の議論を展開できるか、が問われますので、勉強の時間よりも質が問われることになります。

短答式試験対策における憲法の勉強法

短答式試験における憲法の勉強法は、条文と判例の学習につきます。近年の予備試験、司法試験本試験の短答式試験については、単に知識を知っているかどうかが問われるものが多いので、条文と判例といかに正確に理解、記憶しているかが重要です。

特に、判例については、合憲違憲の結論については当然、なぜそのような結論にいたったかについての判断基準、判断要素と、判断の過程を正確に理解しておく必要があります。論文式試験の勉強と短答式試験の勉強法は、憲法においては全く異なりますので、短答式試験で点数を取るための勉強をする必要があります。

具体的には、現在の司法試験本試験、司法試験予備試験の過去問については全てといておくことをおすすめします。これだけで15年分以上の過去問をとけることになりますので、まずはこれらの過去問をとくことがファーストステップです。

また、仮にこの15年分の過去問が終わった場合には、旧司法試験の過去問をとくことをおすすめいたします。ただ、旧司法試験の過去問は、現在の司法試験予備試験や司法試験本試験の過去問とは傾向が異なりますので、プラスアルファの勉強ととらえたほうがよいです。現在の司法試験本試験、予備試験の過去問を完璧にするほうが重要ですので、いたずらに手を広げ過ぎないようにしましょう。

論文式試験対策における憲法の勉強法

憲法の論文式答案の書き方には非常に特徴があります。近年の憲法の論文式試験では、原告の主張、被告の反論、それらを踏まえた私見、という形で問われています。

憲法の論文式では、以下の順序で論文を展開していきます。

STEP1:問題提起

まずはどのような権利が侵害されているのか、という問題提起をします。たとえば、「本件法律は、Aの営業の自由を侵害し、違憲ではないか、が問題となる」という形で問題提起します。過去問を勉強していくと、同じ権利が何度も問題になっていることが分かります。

STEP2:憲法上保障されているか検討

次に、その権利が憲法上保障されている権利なのかどうか、について検討します。憲法上明文で保障されているのであれば論点として検討する必要はありませんが、明文に記載がない場合については明文がないので、保障されているのかどうかが問題となります。

上の例でいえば営業の自由という権利は憲法に明記がないので保障されているのかどうかが問題となります。たとえば、「営業の自由については、明文ないが職業選択の自由は当然に遂行する自由を保障していると解されるので憲法22条で保障される」といった具体に、議論を簡単に書いていくことになります。

これは、いわゆる論点を勉強することで簡単に書けるようになります。

STEP3:重要度の検討

そして、その憲法の権利がどの程度重要な権利なのか、という点について検討をします。重要な憲法上の権利であればなるべく侵害してはいけないわけですし、そうでない権利であればそこまで過度の保護を与える必要もないからです。ここで憲法でよく議論される、二重の基準や規制目的二分論を展開していくことになります。

また、そうした伝統的な憲法議論だけではなく、問題に即した形で権利の重要性をといていくことになります。例えば「今回の営業の自由は、二重の基準からすれば表現の自由よりも保護の程度は劣るのが一般論である。

しかし、今回の営業の自由は、表現の自由としての側面を有しているので、単純に二重の基準では判断できない」といった形で悩みを見せるのが非常に重要です。憲法の答案を分ける境目はここにあるといえます。憲法上の議論を勉強することはもちろん、過去問の勉強によって、具体的に権利の重要性を書けるようになることが重要です。

STEP4:憲法上の権利に対する規制の検討

また、権利の重要性と並行して、今回の規制がその憲法上の権利に対してどの程度の規制になっているのか、という点についても検討します。強い規制になっているのであれば厳格に審査するべき、という論法になるからです。

たとえば「本件法律は、許可制により営業の自由そのものを行使できなくさせる強い規制である」といった具合に議論を展開します。判例の勉強をしっかりとしていると、判例がどのような事案で強い規制と考えているかについて学習できます。

STEP5:違憲審査基準の定立に入る

こうした検討を踏まえて、初めて憲法のやまである違憲審査基準の定立に入っていきます。違憲審査基準は、憲法判例では様々なものが使われていますので、どれを使えばいい、どれは使ってはダメ、ということはありません。

これまでの論理の流れから、厳しい基準を立てるべきであれば厳しい違憲審査基準を、ゆるい基準を立てるべき論理の流れであればゆるい違憲審査基準を立てるべきです。違憲審査基準については判例の勉強が非常に有用ですので、判例を勉強してストックを増やしてください。例えば、「そこで、本件法律が違憲か否かの判断にあたっては、目的が重要か、手段が目的と実質的関連性があるかどうかによって判断するべきである」といった具合に記載します。

STEP6:当てはめ。自分なりに解釈

そして、そこで定立した違憲審査基準に沿って、あてはめを行っていきます。問題文の事実を拾って、自分なりに評価していくのです。ここでは、自分の頭で考えることが非常に重要で、拾った事実について必ず評価することが必要になります。

単に問題文の事実を転記しても点数には結びつきません。憲法の答案が非常によく書ける人はここの部分が充実しています。条文や判例の勉強ではこうした部分は学びにくいですが、判例のあてはめを仔細に勉強することで、このあてはめ能力についてもレベルを高めることができます。

まとめ

憲法の論文式試験が書けるようになるためには、こうした論文答案の書き方の流儀をまず勉強して身につけることが必要になります。実際の試験では、どのような権利が問題となるかについて迷う場面が多いのですが、原告の立場にたった場合には、どの権利を選択すれば違憲にしやすいか、という観点から勉強する癖を身につけてください。