司法試験突破!試験別に商法・会社法の勉強法ポイント解説

商法・会社法とは?

商法会社法は、大きく分けて3つの分野にわかれます。商法総則・商行為、手形法、会社法の3つです。法律としては、商法だけではなく、手形法、会社法の3つの法律が対象になります。各法律はかなり違う事項について規律しており、会社法については、会社運営に必要な規律がくまなく規定されています。かつては商法の中に会社編として入っていたものが、現代社会に適合するように独立した法律になったのが会社法です。

また、手形法については、その名の通り、手形の振出や裏書など、手形流通について規定されています。商法総則については、商行為に通じる全ての通則が規定してあります。商行為については、様々な商行為に適用される特則が規定してあります。

このように、様々違う規律を勉強するのが商法会社法であり、法律7科目の中でも比較的特殊な科目であるといえます。憲法、民法、刑法とは異なり、商法会社法などは下4法といわれ、上3法を学習したあとに勉強することの多い法律です。

予備試験、法科大学院、司法試験において商法・会社法が問われる場面

商法会社法は、司法試験予備試験において短答式試験、論文式試験で問われます。商法会社法は下4法であることから、法科大学院によって問われるかどうかにばらつきがあります。経済活動に関する法律を重視する法科大学院で問われる傾向にあります。

司法試験本試験においては、短答式試験では問われなくなりました。したがって、論文式試験でのみ問われ、民事系科目の第2問という形で問われます。

司法試験を突破!商法・会社法の勉強法:総論

商法会社法については、法律が3つにまたがるため、学習する範囲が比較的広いです。もっとも、論文式試験で問われるポイントは、近年は殆ど同じであり、機関や株式、組織再編といった点が非常に頻繁に問われています。手形法や商法総則商行為については殆ど問われていません。

短答式試験では、論文式試験とは異なり幅広い知識が問われますので、短答式試験専用に勉強することが必要になります。特に、条文の知識が網羅的に問われることになりますので、短答式試験があるかどうかで、学習法が大きく変わってくるといえます。予備試験では短答式試験があるため、学習量が多くなる一方、司法試験本試験では論文式試験でしか問われないため、ある程度焦点を絞って学習ができることになります。

商法総則、商行為については、判例の知識などはあまり問われず、条文を正確に理解しているかが問われますが、手形法については、条文数が少ないことから解釈論や判例の重要性が相対的に増します。会社法については、できて間もない法律ではありますが、過去に集積している判例の重要性については変わりありませんので、条文と判例双方の学習が必要になります。

論文式試験では、商法会社法の長い事例について、取締役会決議の効力や株主総会決議の効力が問われることになります。手形法が問われることもまれにありますが、手形法だけの問題はなく、会社法と絡めて聞かれることが殆どです。

そういう意味では非常に勉強する範囲が狭いのが商法会社法の論文式試験です。

短答式試験対策における商法・会社法の勉強法

商法会社法の短答式試験では、商法の条文知識、会社法の条文知識、手形法の条文知識が主に問われます。

もっとも、手形法については、条文が少ないため、解釈論についても問われることが多いです。会社法や商法総則商行為についても一部解釈論が問われることもありますが、基本的には条文をおさえておけば合格点にたどり着けるレベルの問題です。

勉強法としては、上3法と同じく、過去問を全てといておくことが必要です。予備試験だけではなく、少し前の司法試験本試験までは商法会社法の短答式試験が実施されていましたので、それらについては少なくとも全てといておくことが必要です。

また、試験のレベルとしては基礎的になりますので、予備校が作った問題を解くことでも理解を深めることにつながるでしょう。論文式試験の勉強が直接的に短答式試験の勉強に活きることは少ないので、刑法と同様、別の試験対策を講じる必要があります。

論文式試験対策における商法・会社法の勉強法

商法会社法の論文式については、出てくる論点が非常に限られています。

具体的には、会社法の中で、取締役会、株主総会が殆どのケースにおいて問われます。招集手続きや決議方法に瑕疵があり、それが原因で決議の効力がどうなるのか、という点が問われます。それに付随して組織再編や、場合によっては手形行為の効力が問われることもたまにありますが、あくまで上記決議の効力の論点は外せない事項です。

また、株式についても問われることがありますのでカバーしておくことが重要です。株主優待制度や募集株式の発行などです。試験対策としては、司法試験本試験と予備試験の過去問をくまなく解いておくことをおすすめします。

司法試験本試験は、年度によってかなり難易度にばらつきがありますが、問われている論点は殆どが同じなので、勉強しておくことで、全ての試験対策となります。予備試験については、驚くほど同じような問題が毎年出題されていますので、過去問を完璧になるまで何度も何度も学習しておくのが有用です。

加えて、旧司法試験では、ある程度出題される論点はばらけていましたが、問われている論点は同じですので、司法試験本試験や予備試験の学習が終わった後に学習しておくといいでしょう。答案の書き方は、会社法は民法の特別法の関係になりますので、要件を丁寧にあてはめていくような書き方をしていくことになります。

例えば、「本問でAとB社との取引は利益相反取引に該当するか。」といった問題提起をした後に、利益相反取引の条文を引用して解釈をし、問題文の事例をあてはめていく、という形になります。

商法会社法については、頻出論点について、いかに何度も何度も復習するかが重要になります。それによって、出題される問題の8割はカバーすることができますので、それをカバーした後に他の分野の学習に入っていくと効率的です。

また、手形法については、司法試験本試験では論文式試験だけであることから、学習をほとんどしない、という方もいますが、重要論点については問われる可能性もありますし、予備試験では平成28年に問われていますので、カバーしておくのが無難です。

答案の書き方については、商法会社法で特殊なものはなく、民法は刑法各論の答案が書けるようになれば、自然と商法会社法の答案も書けるようになります。答案の書き方というよりは頻出論点の洗い出しとそれのマスターに時間を費やすのが有効です。