司法試験突破!試験別に民法の勉強法ポイント解説

民法とは?

民法は、私法の基本法ともいえ、原則として私人間の法律関係についてのルールを規律している法律です。パンデクテン方式といって、はじめに全てに通じる総則が記載してあり、その後に物権、債権、親族相続という形で具体論が記載してあります。

条文としては1000条以上あるので、全てを覚えるのは難しく、要点や流れをいかに理解・記憶しておくのかが重要になる法律です。憲法、刑法とともに、上三法といわれ、非常に重要な法律です。商法は民法の特別法ですし、民事訴訟法は民法の理解が前提となります。

予備試験、法科大学院、司法試験において民法が問われる場面

司法試験予備試験においては、民法は短答式試験、論文式試験において問われます。また、民事実務基礎という形で論文式試験、口述式試験でもその知識が問われます。

短答式試験においては、条文の知識や解釈論が問われる傾向が強いです。論文式試験では、ある程度複雑な事例について、関係当事者の間の法律関係が問われることが多いです。学術的な議論というよりは、その請求が成り立つのかどうか、ということが問われることになります。

民法は基本的な法律であることから、法科大学院入試においてもまず間違いなく問われます。論文式試験で問われる大学も多いです。司法試験本試験においては、短答式試験、論文式試験で問われます。民事系科目の第1問目という形で問われます。

司法試験を突破!民法の勉強法:総論

上記した通り、民法については、1000条以上の条文数があるうえ、全体を理解しないと、細部についてなかなか頭に入らないため、苦手とする人が多いのが民法です。ですが、法曹、とくに弁護士になった場合には、民法の知識はもっとも頻繁に使うものになりますので、民法を得意にしておくことは将来を考える際にも非常に重要となります。

民法を制するものは司法試験を制す、と言われるくらい、民法の学習は非常に難解かつ重要なものです。短答式試験ではかなり細かい知識が問われ、論文式試験ではそこまで細かい知識は問われませんが、やはり全体的な条文の構成を知らないと論文式でいい答案は書けませんので、論文式試験でよい答案を書くためにも、短答式試験の勉強は有用であるといえます。

勉強量は憲法の比ではなく、法律7科目の中で最も時間がかかる科目であるといえます。ざっと考えても憲法の4〜5倍の学習量は必要になる科目であると捉えて、しっかりと時間をとって勉強を進めてください。

短答式試験対策における民法の勉強法

民法の短答式試験では、条文の知識、判例の知識、解釈論の知識、事例問題に対する知識の応用、という形で様々な角度から知識が試されます。旧司法試験も近年の予備試験も司法試験本試験も短答式試験のレベルは殆ど同じであり、理想的には全ての過去問を解いておくべきです。

民法については、過去問と殆ど同じ問題がでる場合も多く、またひっかけるポイントについても過去問を踏襲している場合が多いので、過去問を沢山とくことで、合格点の獲得が一気に近づきます。

判例については、憲法に比べると、結論を知っていればよい、というレベルのものが多いですが、条文については細かく知らないと解けない問題が多いのが特徴です。ただ、1000条以上を丸暗記するのは無理なので、過去問で問われている条文について少なくとも身につける、という意識をもって勉強してください。 民法の短答式試験は、一度合格レベルに達するとなかなかレベルが落ちませんが、そのレベルに達するまでが大変な勉強になるので、覚悟して勉強に挑んでください。

論文式試験では、非常に細かい知識は問われませんが、短答式試験で問われる知識を知っていると容易に論点にたどり着ける問題が出題されますので、民法においては短答式試験と論文式試験の勉強は共通点が多いといえます。

まずは予備試験と司法試験本試験の全ての年度の過去問をとくべきです。これは憲法の場合と一緒です。そして、旧司法試験の過去問の重要性については、憲法や刑法とくらべても非常に高いのが民法です。過去問を見ると、本当に同じ問題が出題されていますので、なるべく過去問を経験するストックを増やしておくのがおすすめです。

論文式試験対策における民法の勉強法

民法の論文式答案についても書き方に気をつける点があります。民法は、私人間の法律関係を規律するものですので、最終的には、誰かが誰かに対して何らかの請求ができるか、ということにつきます。そして、その請求は往々にして非常にシンプルなものになります。お金を払え、土地からどけ、ものをどかせ、などの生の要求になります。

そうした生の要求を、債務不履行に基づく損害賠償請求権や不法行為に基づく損害賠償請求権という形で根拠づけていくわけです。そして、そうした請求は根拠条文があり、根拠条文には必ず、「要件」と「効果」がありますので、その要件を満たすかどうかを細かく検討していけばよい、ということになります。

例えば、「本件で、Aは、Bに対し、不法行為に基づく損害賠償請求ができるか」という形で問題提起をします。

そして、不法行為については709条に記載がありますから、そこに記載のある、故意、過失や損害、そして因果関係といった要件を満たしているかどうかを順に検討していけばよいのです。要件が1つでも欠ければ請求が成り立ちませんので、要件を1つ1つ丁寧に検討するのがコツです。

よくあるのが、いわゆる論点についてだけ論じて、要件を1つ1つ論じることを怠っている答案です。そうした答案は、例えば「本件では、94条2項の第三者にAが当たるかが問題となる」という形で、粗い問題提起をして、自分の知っている論点だけを論じることになるので、答案に安定感がない(要件の検討が抜けている)ことになります。

日常の学習やテキストでは、論点の学習に多くの時間がさかれるので、そうした傾向が強くなるのですが、実際の世界では、要件が全て満たされていないと条文に規定された効果は発生しないのですから、要件1つ1つを丁寧に検討していくことが必要です。

実際の実務では、過失や損害といった、極めて基本的な要件をめぐって原告と被告が鋭く対立していくことになりますので、そうした点について、しっかりと法律的な議論を理解していく必要があるのです。

短答式試験の勉強では、論文式試験の勉強に通じるよう、しっかりと各条文の要件を理解、暗記し、それを論文でも応用できるようになると効果的です。

そして、勉強においては、過去問を解くことが何よりも重要です。予備試験、司法試験本試験が最優先ですが、旧司法試験についても、形を変えて今の試験で問われますので、全ての過去問を網羅的に学習しておくことが重要です。特に、答案を書く癖をつけていないとなかなかいい答案が書けないのが民法ですから、毎日のように答案を書くことが重要です。