司法試験突破!試験別に民事訴訟法の勉強法ポイント解説

民事訴訟法とは?

民事訴訟法は、民法や商法といった実体法上の権利について、その存否を裁判上で判断するためのルールを定める法律です。刑事訴訟法とともに手続法と呼ばれており、裁判で民事上の権利がどのように判断されるのか、について判断する枠組みを提示しています。

訴訟提起から審理、判決、上訴審に至るまで、順番に沿って条文が規定されていますので、400条近くある条文を読めばある程度裁判の進行が分かるような内容になっています。こうした、プロセスを規定する法律であるにもかかわらず、法律7科目でもっとも論理的な科目であり、民事訴訟法を苦手とする受験生が非常に多いのが特徴です。

予備試験、法科大学院、司法試験において民事訴訟法が問われる場面

民事訴訟法は、司法試験予備試験において短答式試験、論文式試験で問われます。また、民事実務基礎という名前で論文式試験の別の科目で問われますし、口述式試験でも問われることになります。民事訴訟法は下4法であることから、法科大学院によって問われるかどうかが異なります。国立大学など、幅広い知識が試される大学では問われることが多いです。

司法試験本試験においては、商法会社法と同様に、短答式試験では問われなくなりました。論文式試験でのみ問われ、民事系科目の第3問という形で問われます。

司法試験を突破!民事訴訟法の勉強法:総論

民事訴訟法は、学習する範囲こそ狭いですが、基本的な概念の理解に非常に時間がかかる科目となっています。処分権主義、弁論主義、既判力といった、裁判を司る基本的なルールが、明文上に詳しく規定されておらず、個別具体的な事例においてどのように考えるのかを理解するのに非常に時間がかかります。

民事訴訟法を苦手とする受験生が非常に多いことについては上記の通りですが、その原因はこうした基本的な概念の理解が疎かになっており、丸暗記しかしていないので、応用に対応できない、ということが挙げられます。

試験対策としては、司法試験本試験、予備試験の過去問は他の科目と同様に最も重要です。ですが、旧司法試験の重要性が他の科目と比べて圧倒的に高い、というのが特徴です。特に、弁論主義や既判力といった基礎的な概念については、予備校の作問では深い問題は作成できないため、旧司法試験のような試験委員が作成した問題が非常に重要になっています。

論文式試験では、幅広い知識ではなく、こうした基本的な概念の応用問題が問われることが殆どですので、抽象的な範囲としては非常に限られたものになっています。

ですが、本質を理解しているのかどうかが問われる、良問ですので、本質的な理解をしておらず丸暗記しかしていない受験生には対応できないものとなっています。これについては、旧司法試験の過去問をくまなく学習することで対応できます。

一方の短答式試験では、論文式試験とは異なり条文の知識が問われる場面が非常に多いです。短答式試験のために条文の知識を網羅的に頭に入れておく必要があります。司法試験本試験では短答式試験はなくなりましたが、予備試験では短答式試験が変わらずあるため、2つの試験で対策が大きく異なってきます。

おすすめは、論文式試験の勉強を最初に進め、本質的な理解をした後に、条文の知識を最後に入れて短答式試験の対策を完成させていくのが効率的です。

短答式試験対策における民事訴訟法の勉強法

民事訴訟法の短答式試験については、条文知識があれば対応できる問題が殆どです。他の法律科目に比べると、判例の知識が問われる場面は少ないといえるでしょう。対策としては、司法試験予備試験、司法試験本試験の過去問をとくことが重要です。商法会社法と全く同じです。

これらの問題を完璧にし、条文を何度も何度も反芻して勉強することで、民事訴訟法の手続の流れが頭に入っていきます。また、論文式試験対策として、基本的な概念の本質について理解していれば、暗記する量を減らすことができますので、論文式試験の学習を先行させておくことが効率的です。

論文式試験対策における民事訴訟法の勉強法

民事訴訟法の論文式については、処分権主義、弁論主義、既判力の3つの概念を最初に押さえるのが重要です。次に、複雑訴訟が重要になります。特に当事者が複数になる形の訴訟形態について学習しておくことが必要です。処分権主義や弁論主義、既判力については、一通りの理解をすることは難しくありません。概念について書いてあることは理解できると思いますし、そこから出される結論についても理解できると思います。

しかし、主要事実や間接事実、遮断効といった付随概念について、事案を少しでもひねって応用されると、何も答えられない、という受験生が非常に多いです。

他の法律科目と違うのは、問題文の事実を使って評価していく部分が非常に少なく、どちらかというと、概念の説明や、展開に多くの紙幅を使うことが多いことです。

勉強法としては、旧司法試験の過去問がシンプルながら本質をついた問題ですので、非常に有用です。既判力などは10問程度本質をついた問題を解いておくことで、どんな角度から問われても答えられるようになりますし、司法試験本試験のように、誰も知らない事例について問われても対応できるようになります。

また、司法試験本試験の問題は、非常に難解ですが、採点実感や出題趣旨と照らし合わせながら解いていくことで、その問題で何が聞きたかったのか、ということを解き明かしていくことができるようになります。

旧司法試験と予備試験の論文式試験のレベルは殆ど同じですが、司法試験本試験はこれら2つの試験よりも難しい問題が問われます。ですが、本試験対策としても予備試験や旧司法試験をといておくことが重要です。予備校の作成する問題と本試験の問題のレベルには大きな乖離がありますので、予備校の答案練習に頼り過ぎないことが必要です。

重要概念について、定義などは当然暗記するべきですが、より重要なのは様々な具体的事例での判断の帰結がどうなるのかを理解することです。ここでは暗記は意味をなしませんので、本質を理解しておくのが肝要です。