呉明植「刑法総論」の特徴と評価

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「刑法総論」の特徴

伊藤塾講師、呉明植先生が執筆された刑法総論の予備校本です。350頁(内60頁は論証カード)で文字のポイントが多く、図や表がふんだんに挿入されているため、非常に読みやすいものとなっています。著者が伊藤塾の人気講師ということもあって、記述の非常に易しく、初学者でも十分理解が可能です。

また、法律を初めて学ぶ初学者だけでなく、一通り刑法の全分野を学習した中級者にからしても、刑法の基本構造を完全に頭に定着させるうえで本書は非常に有用であり、決して物足りないものではありません。

ボリュームが少ないため不安に思う方もいるかもしれませんが、これは理論的背景など試験対策に不要な点を一切そぎ落としているからであり、試験に必要な知識については本書で十分にカバーできます。

巻末に収録されている論証カードもかなり役に立ちます。論証が緻密であり、かつ覚えやすいようにアレンジしてくださっているため、試験直前は論証部分だけ何度も繰り返し読み込むという使い方も可能です。

「刑法総論」の評価

短答式対策において

本書は、ボリュームが少なく、論文試験対策を強く意識していることから、短答対策の記述に乏しいかのようにも見えます。

しかし、分量こそ少ないものの、必要な短答知識については意外ときっちり書いてくれています。文章量が少ないのは、理論的背景など試験対策に不要な部分を一切そぎ落としているからに過ぎません。

判例の紹介は当然のこと、罪数論や量刑も十分に解説がなされていることから、短答試験対策をするにあたっても、本書一冊で十分こと足りるのではないかと思います。

法科大学院入試対策において

刑法については、「構成要件・違法性・責任」といったような“型”のようなものを頭で理解できるようになるまでが最初の関門だと思うのですが、とりあえず本書を読み、論証を暗記すればこの関門は容易に突破できるでしょう。何も分からない初学者が最初に手に取るには最適の一冊ではないかと思います。

司法試験・予備試験論文対策において

初学者におすすめできる一冊であると言いましたが、それから最後の司法試験まで使えるのが本書です。内容が薄いように見えても、読み返すごとに新たな発見があり、主要な判例・論点はこの一冊で全て網羅されていることに気づくでしょう。

そのため、刑法の論文対策としては、基本的には本書の論証を暗記し、足りないと感じる部分があれば随時他の基本書で補充するという形で十分でしょう。

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