井田良他「刑法事例演習教材」の特徴と評価

安田拓人「刑法事例演習教材」サムネ画像

「刑法事例演習教材」の特徴

慶應義塾大学・井田良教授、東京大学・佐伯仁志教授、橋爪隆教授、京都大学・安田拓人教授ら共著の刑法の演習書です。48問(改定により8問追加)の分量が司法試験程度かやや短めの事例と簡潔な解説で構成されており、問題数が多いがゆえに網羅性が高いのが特徴です。

問題のタイトルは面白く印象的なものが多いですが、内容は至って真面目で、難易度的にも島田聡一郎他「事例から刑法を考える」ほど難しすぎず、司法試験・ロースクール入試向けにちょうどよい程度です。

本書は、解説の手厚さがウリである「事例から刑法を考える」と比較すると、当該問題の主要論点について解答の指針が書かれている程度で、答案はついておらず、解説でも細かい論点には触れられていないことがあります。

論点発見と総ざらい的な使用、周回して網羅するという使い方には向いており、人気の書ですが、細かい点まできちんと考えてとなると集団で答え合わせをする使い方をした方が無難でしょう。

「刑法事例演習教材」の評価は?

短答式対策において

やや向いています。

本書は論述対策用ですので短答式にフォーカス配していません。ですが、本書は網羅性が高く、賄賂罪や証拠偽造罪等、他の問題集では見かけないようなやや細かい論点もある程度拾ってくれていますし、随所で判例も出てくるので本書をこなしているとそれなりに解答できる範囲も広がります。

法科大学院入試において

向いています。

難易度的にもちょうどよいですし、論点発見能力がかなり鍛えられるので、入試前などに繰り返し解いておくと、本番でも焦らずに解答できると思われます。

司法試験・予備試験対策において

向いています。予備試験の刑法対策にはちょうど良いでしょう。

司法試験対策に関してですと、本書では論点発見能力と論点に対する考え方が主に身につきますし、論点網羅性が高いため周回するとかなり力が付きます。

もっとも、司法試験や短答式の刑事実務科目では長い事例で殺意、共謀等の事実認定も問題になることが多いのですが、本書では認定部分はややあっさりしたものが多いので、多数の事情から認定していく方法も押さえておきたいのであれば、井田良他「事例研究刑事法Ⅰ刑法」や予備試験の刑事実務向けの本なども読んでみた方がよいかもしれません。

動画で解説!専門家が評価する「刑法事例演習教材」

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