佐々木正輝他「捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講」の特徴と評価

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「捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講」の特徴

実務家(検察官)の佐々木・猪俣両氏が、早稲田大学法科大学院の授業を念頭に置いて執筆した、刑事訴訟法の演習書です。司法試験レベルに長い設例について、類似判例・裁判例を多く上げたうえで整理し、その射程・本件との比較を行ったうえで、本件の特性なども考慮の上で事案を詳しく分析し、あてはめをかなりしっかり行ってくれています。

また一方で、アカデミックに古江頼隆「事例演習刑事訴訟法」のように教官と学生が議論する解説形式で、様々な学説の理解とその妥当性を議論する部分もあります(そしてその水準もかなり高く、興味深いです)。事例問題についてかなり深く、かつ高度な議論が展開されていて、大変勉強になります。特に現行犯逮捕・準現行犯逮捕のあたりなどは、実務が踏まえられているので、かなりなるほどと思わされる部分が多いです。

ただ、二人の著者が検察官であることもあり、事実認定や最終的に採用される見解がむちゃくちゃ検察寄りなので、(司法試験で偏った認定をしないためにも)「本当か?こう考えることもできるのでは」と思って読んでいく姿勢は大事にしたいです。

「捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講」の評価は?

短答式対策において

本書は完全に論述対策向けですし、論点ごとの解説ですので、手続全体を見ていくわけでもなく、向いていないと思います。

法科大学院入試対策において

本書は法科大学院入試にはややレベルが高すぎるかなと思います。本書レベルでの事案分析と詳細なあてはめは要求されていないと思われます。まずは、教科書と「事例演習刑事訴訟法」等で刑訴の基本論点とその考え方をしっかり学んでいくことが大事ではないでしょうか。

司法試験・予備試験対策において

本書は司法試験対策に向いています。

本書の考察のレベル、事実認定のレベルはかなり高いため、司法試験の答案作成においては、かなり参考になります。また、「事例演習刑事訴訟法」では扱われていないような論点も触れられているので、二冊目の問題集としてお勧めできるところです。実務・検察よりの事実認定に注意して読み進められれば捜査法の知識がぐっとつく思うので、実践向けにお勧めできます。

動画で解説!専門家が評価する「捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講」

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