井田良他「事例研究刑事法Ⅱ刑事訴訟法」の特徴と評価

井田良「事例研究刑事法Ⅱ刑事訴訟法」サムネ画像

「事例研究刑事法Ⅱ刑事訴訟法」の特徴

学者と多くの実務家の共著の刑事訴訟法の問題集です。

司法試験程度の分量の問題の実戦形式で,解説では学説と多くの裁判例を紹介し,事実認定もやや詳細に行っているのが特徴です。解説は,実務家主体ではあるものの,佐々木正輝・猪俣尚人「捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講」ほど検察側に偏ってはおらず,バランスが取れているという印象です。

古江頼隆「事例演習刑事訴訟法」ほど基礎から詳しく解説してくれている本でもなく,司法試験程度の長さの演習をするために用いる本だと思います。しかし,ロースクール以降のレベルの読者が使うと,目新しい知識はそこまでなく,基本を落とさないようにできているか確認する程度となると思います。実戦形式での答案演習を欠かさないために使う本という位置づけでしょう。

「事例研究刑事法Ⅱ刑事訴訟法」の評価は?

短答式対策において

完全に司法試験の論述向けなので短答式試験向けの本ではないでしょう。

法科大学院入試対策において

法科大学院入試では,本書レベルの長文の事例問題や事実認定を詳細に行わなければならないタイプの問題は出ないと思いますので,あまりお勧めできません。「事例演習刑事訴訟法」や教科書等で基本事項と論点をきっちり押さえておく方が確実に点が伸びます。

司法試験・予備試験対策において

司法試験向けに使えるバランスの取れた演習書ではあるのですが,それゆえに突出した長所がないです。受験生目線としては,実践に慣れるならば新司法試験を解けばよいですし,事実認定・判例理解を深くやるならば「捜査法演習」,難しい基本概念を自分の言葉で理解するためならば「事例演習刑事訴訟法」を用いればよいと思われるため,問題演習量が足りない場合に使う程度の位置付けではないかと思います。

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