前田雅弘他「会社法事例演習教材」の特徴と評価

前田雅弘「会社法事例演習教材」サムネ画像

「会社法事例演習教材」の特徴

京都大学教授の前田雅弘・洲崎博史・北村雅史らが執筆した会社法の演習書で、京都大学ロースクールの授業用教科書として作られています。

Ⅰ部、Ⅱ部で12個ずつのテーマがあり、1テーマの中に事例問題が各3~5個(多くは1問あたりがB5サイズの1頁の3分の1~2分の1程度で学部試験程度の長さ)、その各事例問題ごとに設問が5~10個程度という構成です。問題数としてはかなりの大ボリュームであり、網羅性が高いのが特徴です(短答式試験対応レベルです、他の演習書とはボリュームが全く違うのです)。しかし、これらには一切解説がついていません。

解説がついているのは一部で、付録の事例問題3つ(授業の流れと称して詳しめの解説つき)と演習問題と称される事例問題24個程度(過去の京都大学法科大学院の試験問題も収録されており、こちらは軽めの解説のみ)です。

内容としては、基本的な理解、条文を問うレベルのものから、判例の事案との比較を問うものなどかなり多様です。Ⅰ部は、ちょうどよい程度の難易度で、論点をしらみつぶしにできて勉強になります。Ⅱ部は種類株式と社債の使い方等かなり高度な内容が含まれいます(会社法107条、108条等の細かい内容を駆使する形になっています)。Ⅱ部は、司法試験とはかけ離れており、独学で使う必要性は乏しいでしょう。

条文理解や基本知識レベルですと勉強会等で使うことはできると思いますが、やや高度なものも含まれているため、本書を用いて司法試験対策をするのであれば、京都大学ロースクールの学生に知り合いがいないと厳しいと思われます。

「会社法事例演習教材」の評価は?

短答式対策において

予備試験の短答式にも十分に対応できる程度に組織や株式などの細かい条文まで問うてくる本ですので大変向いています。しかし、答えを持っていないと使うのは厳しいでしょう。

法科大学院入試対策において

本書はロースクールの授業で用いられる程度のものですので、難易度が高いと思われます。ロースクール入試レベルですと、「Law practice 商法」等が解説もついており基本的な内容を押さえられるため適切な難易度でしょう。

司法試験・予備試験対策において

本書の内容を網羅できていれば、論点に対して困ることはかなり少ないと思われます。本書の参考文献を読む中で、江頭憲治郎「株式会社法」の細かい文字まで読めたことになっているはずです。より高得点を目指したいのであれば、出てきた重要判例等について、調査官解説等からより深い理解を得ておけば良いと思われます。

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