黒沼悦郎他「Law Practice 商法」の特徴と評価

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「Law Practice 商法」の特徴

本書は早稲田大学法科大学院の黒沼悦郎教授らが執筆した自習演習教材です。主な読者層は法学部生、法科大学院未修者など初学者を対象としています。本書は会社法分野から53問、商法総則分野から3問の演習問題と解説を収録しており、本書一冊で試験範囲を網羅できます。法科大学院入試や未修一年目の定期試験の対策を講じるにはぴったりの書籍といえるでしょう。

本書の解説は共著でありながら質のムラがなく、大変わかりやすいものとなっています。また判例・通説をベースに議論が展開されているので、試験対策上も無駄がなく、洗練されたものとなっています。

本書の内容は、旧司法試験や予備試験程度の長さの事例問題が出題され、それに解説が付されています。答案例は付いていませんが、解説は初学者でもわかりやすい平易な文章であり、基礎学習と論文対策の架橋となる一冊といえるでしょう。

答案作成をするには①論点抽出作業、②解釈論、③当てはめの課程を経ることとなりますが、本書はこの三点について満遍なく解説されているので、初学者でも論文検討のイメージを作ることが出来ます。

もっとも本書はあくまで初学者を対象としているので、深い学説の議論や最新の議論についてはあまり触れられていません。法科大学院3年生や、会社法が得意な方にとっては、やや歯ごたえがないものといます。会社法が得意な方は「事例で考える会社法」などを用いる方が得るものがあるでしょう。

総合的な評価としては、本書は初学者が論文対策を講じるため、まずはじめに読むべき良書であると思います。

「Law Practice 商法」の評価は?

短答式対策において

本書は論文対策用の書籍ですので、短答対策には向きません。

法科大学院入試対策において

本書は前述のように初学者向けに執筆されたものなので、法科大学院受験者にぴったりの書籍といえるでしょう。本書の難易度も法科大学院入試と同程度のレベルなので、本書を何回か回せば論文試験に必要な知識は十分獲得できます。本書は法科大学院入試論文対策の決定版といえるでしょう。

司法試験・予備試験対策において

本書はあくまで初学者を対象としていますが、司法試験・予備試験で出題が予想される論点については網羅されているので、試験対策として用いるのも有益でしょう。

しかし本書の難易度は司法試験と比べると数段簡易なものなので、本書事例がどうにか解ける程度では試験突破は難しいでしょう。本書では基本論点を押さえ、実戦的な対策は司法試験過去問や「事例で考える会社法]などの難しい問題で講じるのが良いでしょう。

もっとも本書は初中級者や会社法が苦手な方にとってもわかりやすい書籍なので、このような方々は、まず本書で基礎を固めてから司法試験の過去問を解くのが良いでしょう。

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