森本滋他「商法総則講義」の特徴と評価

森本滋「商法総則講義」サムネ画像

「商法総則講義」の特徴

森本滋教授が編集し、8人の教授が執筆した商法総則の教科書です。京都大学の商法総則の授業で教科書指定されており、薄く、本文には必要な基本事項のみを詰め込み、注に判例や他の学説などが参照されています。(注はかなり分量が多いです)

若干自説を押してくる部分もありますが、それ以外は総じて判例・通説を紹介し、余計な記述がほぼない、シンプルな教科書になっています。薄いですが、重要論点はかなり手厚く記述してくれており、判例も注でかなり参照されているなど、押さえるべきところはきちんと押さえてくれています。

ケース等が使われていないので、事例問題が出題された場合に、商法の当該条文をどうやって適用していくのか、どんな場面で論点になるのかなどは、授業レジュメ、判例集等を読んで補わないと、本番でつまることになると思います。知識提供のみをしてくれるタイプの本です。

「商法総則講義」の評価は?

短答式対策において

細かい条文を追いかけるタイプには弱く、論述でも出る部分の知識問題には対応できる傾向にあります。

例えば、絶対的商行為の具体的あてはめには対応できないと思われます(列挙事項と注に著名判例のみが挙げられている程度です)。また商業帳簿に関しては条文を追っておらず制度の概説的説明が多いです。逆に商号、名板貸し、営業譲渡、代理商、支配人等論述でも出る分野については十分な記述がされています。

法科大学院入試対策において

商法総則という分野自体が、法科大学院入試・司法試験ではほぼ出題がない分野なので、一応出題されうると思われる名板貸しや会社法908条の不実登記等だけを試験前に一度は見ておくという使い方をすることになると思います。本書の良さは「薄くて読みやすいのに、重要な点は学説とともに押さえてくれている」ということなので、その用途にはぴったりなのではないでしょうか。

あなたもレビューしませんか?

※先に「継続力」を理解する事が重要です。

難関な試験に合格する為には独学力を鍛えなくてはなりません。

司法試験の独学力.comでは、独学力を構成する「効率力」と「継続力」。特に独学で司法試験に合格する為の必須条件である「継続力」について解説しモチベーション向上を図ります。