近藤光男「商法総則・商行為法」の特徴と評価

商法総則・商行為法のサムネ画像です

「商法総則・商行為法」の特徴

本書は、神戸大学教授の近藤光男先生が書かれた商法の基本書です。その特徴は、通説・判例の視点から、商法総則・商行為法の基本的知識をわかりやすく説いていることにあります。

本書は、もともと「もっぱら初学者を対象とし、できるだけ具体的な事例を使い分かりやすく説明する書物」(初版はしがきより)として書かれており、1冊目の基本書として最適なものといえます。また、スタンダードで信頼のおける記述がなされており、学習が進んでも使い続けられる基本書でしょう。

そして、本書のページ数は298頁とかなり薄いため、それほど負担なく通読することができると思います。本書は、これだけの薄さにもかかわらず、必要な記述はもれなくなされており、しかも非常にわかりやすく書かれています。このことからも、著者の初学者に対する思いやりがうかがえると思います。

一方で、欠点めいたものを挙げるとすれば、縦書きであるということでしょうか。この部分はどうしても好みがわかれてしまうところだと思います。ただ、どうしても横書きでないと読めないという人以外は、縦書きだという理由だけで本書を選択肢から外すのは勿体ないように思います。ぜひ一度、手に取ってみてほしい基本書です。

「商法総則・商行為法」の評価は?

短答式対策において

司法試験の短答式試験に商法はないため、本書は短答対策としては不要です。

他方、予備試験には商法の短答式試験があり、本書はその対策に向いています。本書は、初学者の最初の1冊目としておすすめできるのみならず、短答式試験対策用としても有用です。短答に必要な知識はおおむね網羅されていますし、予備試験の短答式におけるこの分野の比重をみると、本書で必要十分だと考えられます。

法科大学院入試対策において

法科大学院入試に向けた、商法総則・商行為法の勉強としては、本書を通読し、その内容を把握しておけば必要十分だと考えられます。この段階で、本書を熟読しておけば、その後、商法総則・商行為法の勉強に悩まされることなく、スムーズに学習を続けられると思います。入試後を見据えるという意味でも、本書はおすすめできます。

司法試験・予備試験対策において

本書は、論文式試験においても有用な基本書だといえます。商法総則・商行為法の学習にあたっては、本書をメインに据え続けて大きな困難を感じることはないでしょう。

もっとも、本書の記述は簡潔なものである上、発展的な内容はさほど充実していないため、論文式試験において商法総則・商行為法の問題が大々的に出題された場合、本書のみではやや心許ないところがあります。とはいえ、会社法にかけなければならない時間を考えると、商法総則・商行為法の分野は本書と問題演習のみで戦うという選択肢もありうるところでしょう。

そうすると、本書をメインの基本書に据え、別途問題演習を行いつつ必要と余力に応じて他の文献等を読むという使い方をするのがよいのではないでしょうか。

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