潮見佳男「債権総論Ⅰ」の特徴と評価

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「債権総論Ⅰ 債権関係・契約規範・履行障害(法律学の森)」の特徴

京都大学の潮見佳男教授が執筆された民法の体系書です。潮見教授が債権総論について執筆している潮見佳男「プラクティス民法 債権総論」が教科書という位置づけであるのに対し、こちらは体系書であり、判例・他説を紹介しながらも潮見説が押し出されていくという形になっています。

例えば債務不履行関係では判例・伝統的な我妻通説の理解をしたうえで、疑問を抱く近年の議論、著者の保護範囲説がわかりやすく示されています。本書は2003年出版なので古いですが、民法改正にも参加している潮見教授の問題意識を知ることができる内容となっています。

安直な気持ちで手を出すとかえって森に迷い込んでしまうとの声も多く、民法の奥深さを思い知らされます。内容的にはかなり高度です。保護範囲論を深く知る等の目的であればよいですが、試験対策程度で使うのは危険でしょう。

なお、近年予定されている債権法改正で改定されるであろう内容も多いので、今現在読みたい場合でなければ、購入は控えるのも一手です。

「債権総論Ⅰ 債権関係・契約規範・履行障害(法律学の森)」の評価は?

短答式対策において

向いていません。

短答式を目指すにあたり基本書を読みたいのであれば、同著者の「プラクティス民法 債権総論」の方が難易度、記述量等からして向いています。

法科大学院入試対策において

やや向いています。

学部生レベルであれば、よほど民法に自信があるか、ゼミ・リサーチ等で用いるのであれば格別、本書よりもまず「プラクティス民法債権総論」の内容をきちんと押さえきることが先決でしょう。ただ、基本書や問題集を読んでいてよくわからない箇所がある場合や損害賠償についての保護範囲論等の理解をしておきたい場合等に参照しておくと、理解が大いに助けられると思います。

司法試験・予備試験対策において

向いています。

予備試験・司法試験対策でも「プラクティス民法債権総論」レベルを極め知識を総ざらいしておくことが重要だと思います。時間がない場合には本書に手を出している暇はないと思いますが、学説・判例についてわからないときに参照すれば、役に立つかもしれません。

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