内田貴「民法Ⅲ 債権総論・担保物権」の特徴と評価

民法Ⅲ債権総論・担保物権のサムネ画像です

「民法Ⅲ 債権総論・担保物権」の特徴

本書は、内田貴先生が執筆された民法の基本書のうちの1冊で、債権総論・担保物権の分野を取り扱っています。

本書がカバーする分野から分かるように、本書の特徴は、パンデクテン方式を採用していないという点にあります。これは、内田先生による独学者のための教育的配慮によるものでもあり、民法Ⅰ、民法Ⅱにおける基礎的な知識を前提とされています。このような独特な体系は、抽象的な債権総論・担保物権という分野をスムーズに理解できるようにする意図があります。

また、本書のシリーズ全般の特徴ともいえますが、事項索引、判例索引だけではなく、条文索引もあるという点が挙げられます。

債権総論・担保物権ともに、ケースメソッド形式で具体例を通じて条文のあてはめが学べるという点で多くの事実を前提とする司法試験の論文対策としても有効だといえます。

もっとも、本書の特徴でもある二色刷りで、網掛け部分の【もう一歩前へ】という部分は、高度な学者固有の議論も少なくないため、現在の司法試験対策という点からは必ずしも必要とはいえない部分も少なくありません。そのため、試験対策としての本書の利用方法は気を付けるべき部分もあります。

債権総論・担保物権は、「金融担保法」とも呼ばれる分野でもあり、実務においては判例の立場がとりわけ重要な分野です。内田先生もこのような点を重視しており、民法Ⅰ、Ⅱよりも自説は控えめといえます。これは、司法試験対策としても合致しているといえるでしょう。

ただし、本書は2005年に刊行されたものであるため、重要な最新判例に関しては別途補充する必要があります。

「民法Ⅲ 債権総論・担保物権」の評価は?

短答式対策において

本書は基本的な事項の解説が具体例とともにわかりやすく解説されており、短答式対策にも有益です。短答式対策としては、本書の特徴でもある条文索引を利用することが有効でしょう。

ただし、最新判例の補充が必要という点に注意しなければなりません。

法科大学院入試対策において

本書は法科大学院入試対策としても有益ですが、内容面において過分といえるでしょう。そのため、本書の内容すべてを法科大学院入試対策として使うというのではなく、基本概念や判例・通説の必要最小限の事項を理解するために使うという方法がよいでしょう。

司法試験・予備試験対策において

本書は2005年刊行のため、判例については補充することが不可欠ですが、理論的な古さはなく、司法試験・予備試験の対策としても有用といえます。特に債権総論・担保物権といった抽象的な条文の定めも、本書ではケースメソッド形式で具体的に学ぶことができるという点が強みだといえます。

もっとも、【もう一歩前へ】では、司法試験・予備試験対策に不要な部分もあること、最新判例に関しては10年分以上を補充しなければならないという点では、必ずしも効率的とはいえない面もあるため、注意が必要でしょう。

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