内田貴「民法Ⅱ 債権各論」の特徴と評価

民法Ⅱ-債権各論のサムネ画像です

「民法Ⅱ 債権各論」の特徴

本書は、内田貴先生が執筆された民法の基本書のうちの1冊で、債権各論分野を取り扱っています。内田先生といえば、契約法の研究で名高く、本書は内田先生の基本書のなかでも特に評価が高いものといえるでしょう。

内田先生の基本書は、一般に、必ずしも要件→効果の思考に沿った記述がなされていないため、内田先生の考察に基づいた高度な議論を学ぶことができる反面、初学者には向かないという特徴があるように思われます。

もっとも、本書は、比較的要件の明示がはっきりとなされており、初学者でも読みこなすことができる本だといえるでしょう。初学者の人が内田先生の基本書で学修を進める際には、民法Ⅰよりも、本書から入るほうがわかりやすいかもしれません。

本書の最大の特徴は、その内容面にあります。債権各論分野は特に内田先生の影響力が強いように思われ、契約法に関して、契約を一連のプロセスとして捉える考え方や、不法行為法に関して、自動車事故型の不法行為による使用者責任における「支配領域内の危険」の考え方など、有力な見解が詳しく解説されています。

また、不当利得についても、有力説を前提とした解説が豊富であり、一見の価値があると思われます。予備校本の有力説の解説がわからなければ、本書を紐解いてみると、新たな発見があるかもしれません。

判例をもとにしたケースが多く用いられており、二色刷り、文章は読みやすいという本書ですが、内容は、上級者であっても得るものの大きいものとなっており、おすすめできる一冊です。

「民法Ⅱ 債権各論」の評価は?

短答式対策において

本書は、債権各論の全分野について解説が与えるものであるため、短答式試験対策としても有益な書籍です。もっとも、短答式試験では、有力説を前提に解答すべき問題が出題される可能性は低いと考えられ、あえて本書を用いる必要性はないかもしれません。

また、本書の第3版が出版されたのは2011年であり、新しい判例を自ら補う必要があることなども踏まえると、短答式試験対策としては、本書以外の書籍を用いるほうが効率的な場合もあると思われます。

法科大学院入試対策において

法科大学院入試においては、典型的な事例につき、解決を問う出題が比較的多いと思われます。本書は、豊富にケースを用いて、法律論の解説をしているので、典型的な事例につき、解決を与える手法を学びやすい書籍であるといえ、法科大学院入試対策としても有益だと考えられます。

司法試験・予備試験対策において

本書の議論は、むしろ初学者よりも、学修の進んだ人が読むことで、真の力を発揮するという面があるように思われます。特に、本試験において、未知の問題が出題された場合などに、本書の切り口、問題意識が活きてくると考えられます。本書は、司法試験対策としてもおすすめできる書籍です。

また、本書は、教科書としての利用を想定して書かれているので、一般的な見解についても解説がされています。そのため、典型的な処理を学ぶことももちろん可能であり、司法試験・予備試験対策用のメインの教科書として有力な書籍だと考えられます。

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