大島眞一「完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉」の特徴と評価

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「完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉」の特徴

裁判官の先生が執筆された要件事実・事実認定の基本書です。〈上巻〉である本書は訴訟物等民事訴訟の基本構造から要件事実についてまで収録しております。

ページ数は500頁超とかなりのボリュームであり、同じく要件事実の基本書である司法研修所「新問題研究 要件事実」のページ数153頁に比べ3倍以上あります。ただ、その分懇切丁寧にわかりやすい説明が展開されています。記述も非常に平易で読みやすいです。

そのため、初めて民事実務を勉強される方の入門用としても使えますし、ある程度学習が進んだ方が辞書として使うこともできます。もっとも、初めての入門用に使うにしてやはりややボリュームが多すぎるため、まず1冊目は「新問題研究 要件事実」から始めることをおすすめします。

「完全講義 民事裁判実務の基礎〈上巻〉」の評価

短答式対策において

短答式試験対策としては本書はややオーバースペックかと思われます。確かに、短答式試験においてもしばしば要件事実の問題が聞かれますが、「新問題研究 要件事実」などもっと薄い基本書で十分こと足りると思われます。

法科大学院入試対策において

民事実務基礎科目は自体ロースクールで学習する内容ですが、意外とロースクール入試で知識を要求されることは多いように思います。特に民法などは、要件事実の基礎知識があることを前提としているのではないかと考えられる問題もあります。

要件事実自体はそこまでマニアックなものを聞かれることはまずないため、その点では本書よりも薄い基本書で十分対応が可能なのですが、民法110条の表見代理の「正当な理由」のあてはめなどは本書の方がより詳細に語ってくれているため、その点ではかなり有用であるといえるでしょう。

司法試験・予備試験対策において

特に予備試験においては、薄い基本書よりも本書レベルの知識があることが望ましいといえるでしょう。予備試験が始まってから2~3年間は非常に基本的な部分しか問われなかったため問題なかったのですが、最近は論文試験でもやや発展的な知識を問うようになってきています。

そのため、本書で発展的な内容まできちんと押さえておくべきでしょう。さらに、口述試験となれば本書に載っているレベルの要件事実の知識はもはや必須といってもいいのかもしれません。

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