司法研修所「紛争類型別の要件事実」の特徴と評価

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「紛争類型別の要件事実」の特徴

「新問題研究 要件事実」(司法研修所)と並ぶ、司法研修所編集の基本書。その名の通り、売買から債権譲渡まで、要件事実の基本となる紛争類型が一通り網羅されています。そのため、要件事実を学ぶにあたって、まずは本書に挙げられている要件事実を押さえておくべきでしょう。

本書も150頁程度であり、しかも図やブロックダイヤグラムが所々挿入されているため、通読にそれほど時間はかかりません。必要最小限の知識をギュッと詰め込んでいる本であるため、ある程度学習が進んだ者が知識の再確認をするのにも効果的であるといえます。

しかし、ボリュームが少ない分一つ一つの解説自体は非常にあっさりしているため、「なぜここはこのような要件事実になっているのだろう」という疑問にはなかなか応えてくれないというきらいがあります。そのため、疑問が生じたり、より深く理解したと思った場合は、「要件事実30講」(村田歩、山野目章夫ほか)や「完全講義 民事訴訟実務の基礎〈上巻〉」(大島眞一)などを参照すべきでしょう。

また、本書は初学者向けではありますが、要件事実とは何か、請求原因・抗弁とは何かということを初めから丁寧にレクチャーしてくれるものではなく、初めから淡々と要件事実を紹介していくものであるため、初学者がいきなり本書を読むのはおすすめできません。

そのため、まだ要件事実を何も知らないという方であれば、まずは「新問題研究 要件事実」等で初歩の初歩を押さえたうえで、本書を読むと良いかと思われます。

「紛争類型別の要件事実」の評価

短答式試験において

短答式試験の民法で毎年1、2問は要件事実が問われます。本書に掲げられている要件事実を一通り押さえていれば大丈夫だと思います。

本書を網羅した後で過去問を解き、躓いたら再び本書に戻るというサイクルを繰り返して要件事実の問題に慣れていきましょう。

法科大学院入試対策において

本書を押さえていれば、知識レベルについては十分であると言えます。「新問題研究 要件事実」が最低レベル、さらに本書を押さえれば安心という具合です。

法科大学院入試の民法は、要件事実を理解していないと解答が困難な問題もしばしば出題されるため、これらの基本書で対策しておくことが望ましいでしょう。

司法試験・予備試験対策において

司法試験、予備試験レベルとなると、本書に挙げられている要件事実は全て必須レベルであるといえます。本書は少ない頁数で知識を網羅しているため、知識の再確認のために読み返すにもうってつけです。

もっとも、予備試験の民事実務基礎科目や口述試験では、問われる要件事実が年々難しくなっているため、本書だけではやや不安かもしれません。そのため、予備試験対策であれば本書に加えて「要件事実30講」や「完全講義 民事訴訟実務の基礎〈上巻〉」も読んでおくと良いでしょう。

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