和田吉弘「基礎からわかる民事執行法・民事保全法」の特徴と評価

「基礎からわかる民事執行法・民事保全法」の特徴

元裁判官の和田吉弘先生の民事執行法、民事保全法の入門書です。

2つの法分野について、全体で250ページほどに収まっており、とてもコンパクトです。文章は非常にわかりやすく、平易な表現をとってくれているため、はじめて民事執行法、民事保全法を学ぶ人にとって、手に取りやすい基本書といえます。図表も豊富に盛り込まれているため、イメージがつかみやすくなっています。

「基礎からわかる民事執行法・民事保全法」の評価は?

短答式対策において

民事執行法、民事保全法は、司法試験や予備試験では、短答問題として直接問われないため、司法試験、予備試験対策として本書を読むまでの必要はないかと思われます。余裕があれば、予備試験において民事訴訟法の短答対策として、その理解を深めることはできるかもしれません。

法科大学院入試対策において

入試問題として民事訴訟法が出題される場合にも、問われる内容としては、民事訴訟法の範囲内のことがほとんどではないかと思われます。確かに、民事執行法や、民事保全法の理解があれば、執行なども視野に入れた発展的答案を書くことはできるかもしれません。しかし、入試の解答のために本書を学習するほどの必要はないかと思われます。

司法試験・予備試験対策において

司法試験では、直接的に執行、保全分野が問われることは少ないかもしれません。

しかし、民事訴訟法の論文式試験において、執行、保全の知識があればより深い解答をすることができる場合があるとは考えられます。例えば、大阪国際空港の判例では、執行分野の請求異議を学習していれば、より判例を理解することができるため、学習することは必要であろうと思われます。ただ、深い理解をする必要まではなく、概要を理解していることが有用であるため、本書のような概要を解説してくれる書籍は最適な対策本といえます。

また、予備試験では、仮処分などが問われることもあります。その際は、基本的な民事保全法の知識が必要となります。ただ、こちらも深い理解は求められておらず、保全手続きを取らなければならない場面にて、必要な手続きの基本を理解していれば十分といえそうです。本書は、図表がとても多く、文章も平易であるため、概要をつかむために利用するにはもっともふさわしい対策本であるといえるでしょう。

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