稲葉馨他「リーガルクエスト 行政法」の特徴と評価

「リーガルクエスト 行政法」の特徴

本書は、稲葉先生他4名の先生が共同で執筆された基本書です。LEGAL QUESTシリーズは他の法律科目においてもシェアが増えていますが、本書も同様に使用している司法試験受験生が増えてきているようです。

特徴としては、行政法総論と行政救済法といういわゆる司法試験に出題される分野に関する事項を1冊にまとめていることです。記述ぶりも、簡潔でわかりやすく書かれている印象です。

行政法の学修においては判例にばかり目がいきがちになりますが、本書は、項目の冒頭に条文を引用しており、あくまで法律学修の基本である条文から議論を始めている点も良いと感じます。もちろん、判例の引用もなされており、重要判例にはコメントを付して簡単な判例評釈が記載されています。

また、これはLEGAL QUESTシリーズに共通することですが、本書も本文とコラムが分けられており、メリハリのついた構成になっています。

もっとも、4人の先生が分担して執筆されていることからか、分野ごとの記述に統一感・まとまりが無い箇所がある印象です。とはいえ、記述の内容が誤っているということでは当然ありませんし、通読する際に若干気になる方がいる可能性があるという程度でしょう。

全体を通じて、読者にわかりやすいように簡潔に書かれています。したがって、特定の事項について深く調べたいとなると本書では不足かもしれませんが、司法試験対策という点においては質・量ともに必要十分な内容となっていると考えます。行政法の学修の際に常に手元に置いておく1冊として適しているのではないでしょうか。

なお、本書の最新版(第3版)は、平成26年における行政不服審査法の全面改正を機に改訂されたものであるので、引用されている判例や議論も最新のものが記載されています。この点も、ベースとする基本書として高評価ではないでしょうか。

「リーガルクエスト 行政法」の評価は?

短答式対策において

適していると考えます。本書は、1冊で司法試験の行政法分野を網羅しておりますし、その記述ぶりも簡潔かつ平易になされていますので、短答式問題を解いた際のフィードバックに用いると良いと思われます。

法科大学院入試対策において

適していると考えます。本書を含むLEGAL QUESTシリーズは、「法科大学院への進学を目指す(法)学部学生を主要な読者として想定」(本書はしがきより引用)していますので、法科大学院入試対策として適切なレベルとなっています。

司法試験・予備試験対策において

適していると考えます。上記のように、本書は法学部学生を主要な読者として想定しているとのことですが、内容としては司法試験まで通じて十分に使用できるものとなっています。

司法試験に・予備試験対策としては、数多くの判例をフォローしなければならないと思いますが、本書で引用している判例を百選や他の判例集で読むことで対応できると考えます。

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