平成26年度神戸大学法科大学院入試、民事訴訟法のポイント解説

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形式

小問1では、要件事実の理解を問うています。請求の趣旨が記載されているので、この請求の原因を問題文の事情から検討して記載するものといえます。

小問2では、裁判所が請求棄却判決を出すべきか、という問いです。これは既判力の客観的範囲を答えさせようという問題でしょう。

小問3では、本件訴訟が係属している間に提起された、本件後訴②がどう扱われるかを検討するものです。

解答の大枠

小問1について

Xの主張は所有権に基づくものであるため、訴訟物は所有権に基づく明渡請求権としての土地明渡請求権といえるでしょう。そのための請求原因としてXの所有と、Yの占有を主張することになります。

小問2について

既判力の定義を示した上、既判力の客観的範囲が問題となることを示す必要がありそうです。また、いつの時点で既判力が生じるのかも検討してもよいでしょう。そして、既判力が後訴に及ぶならば、後訴の主張が排斥されるのかを検討することになりそうです。

小問3について

すでに、裁判所に訴訟が係属している状態で、別訴を提起すれば判決の矛盾が生じるおそれがあります。本問では、二重起訴禁止に触れるかを検討することになりそうです。その際、規範を定立し検討することが必要でしょう。

論点

小問1について

Xの所有を示す必要があります。平成22年6月3日時点での、Aの甲土地所有という事実はXY間に争いがないため、この時点でのAの所有は証明する必要がなくなります。

そして、XはAの相続人であるため、Aが所有していたこと、Aが死亡したこと、XがAの相続人であること、を記載すればよさそうです。Yの占有については問題文に記載があるため、Yが占有していると簡潔に記載してもよさそうです。

小問2について

既判力は、事実審口頭弁論終結時の判断に生じることを示すことが必要と思われます。そして、この基準時において、YがAから甲土地を購入したことにより所有権を有することが確定されることを記載する必要がありそうです。

AY間の契約が賃貸借契約であったことは、前訴で主張することができた内容であるため、後訴では既判力により主張は遮断されると思われます。既判力で遮断されるのであれば、裁判所は、請求棄却判決を出すことができることなるでしょう。

小問3について

二重起訴禁止については、判決の矛盾防止などの趣旨を示した上、規範を示すことが必要と思われます。当事者の同一性、権利関係の同一性、などの規範で判断することを示せば良いでしょう。

そして、給付訴訟が係属しているところに、確認訴訟を提起すれば、どうして判決の矛盾が生じうるのかを説得的に示すことが必要と思われます。そして、二重起訴にあたるのであれば、請求棄却をするなどの結論まで示す必要があるでしょう。

総評

本問は、要件事実の考え方から請求原因を示し、さらには既判力の問題、二重起訴の問題と、民事訴訟法の幅広い分野を問う問題といえそうです。幅広く問われているため、日ごろから重要論点や要件事実について幅広く学習していることが必要であると考えさせられる問題であるといえるでしょう。

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